東京地方裁判所 昭和39年(ワ)9606号 判決
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〔判決理由〕次に原告の通行地役権の主張について判断する。
成立に争いない甲第二、第九号証、証人橋本為次の証言および原告本人尋問の結果によれば原告所有土地を含め、本件私道周辺一帯の土地はもと松井康昭が所有していたが、大正七年ごろ、同人が右土地を分譲した際、本件私道(分譲前からすでに道路となつていた。)が松井家の私有地としてそのまま残されたことが認められまた、原本の存在と成立に争いない甲第三号証の一、二および検証の結果によれば、地形上、丸山町一八番一一の宅地の所有者、(現在は原告)や同町一九番五の宅地の所有者(現在は被告)など本件私道に接する土地を所有する者にとつて、公道に出るためには、本件私道の利用が必要不可欠のものであることは一見して明らかであるが、このような地形において前記分譲にあたつて本件私道のみが分譲されずにそのまま残された事実に徴すれば、特段の事情が認められない以上、本件私道について分譲地の便益のための通行地役権が暗黙のうちに設定されたものと推認するのが相当である。
だとすれば、原告が前記のように同町一八番一一の土地につきその所有権を取得した以上、原告は本件私道について通行地役権を有することは明らかであるから、この通行地役権に基づき本件私道内に存する本件工作物の撤去を求める原告の請求は正当である。(田嶋重徳 加藤宏 矢崎秀一)